megmogu’s diary

帝王切開ママの気持ちに寄り添いたい、2歳と4歳の子供をもつ30代主婦の子育て記録。

友人の一言、帝王切開後の心の傷

私がこのブログを始めたきっかけは

これから帝王切開を控えている、もしくは帝王切開を経験した 女性たちの心を少しでも軽くできたら良いなと思ったことでした。

だから、できるだけ明るい気持ちになってほしいなと思ってネガティブなテーマを避けてきました。

 

しかしあることがきっかけで、帝王切開を経験しなかった人にも、帝王切開をした人の気持ちというか、敏感になってしまう話題についてなど、知っておいて欲しいと思うようになりました。

今回は私がそう思うようになったきっかけ、人から言われて傷ついた表現がでてきます。

なので、ナイーブな気持ちになりそうな人は飛ばしてくださいね。

 涙をこらえている人のイラスト(女性)

 

 

 

帝王切開とは】

傷が残るのは身体だけではない

帝王切開とは、お腹を切開して赤ちゃんを産む方法のことです。

お腹にメスを入れるのですから、傷が残るというのは想像できますよね。でも、帝王切開ではお腹だけではなく、心にも傷を負ってしまうことがあるという事を知ってほしいのです。

私も帝王切開により、心に傷を負った1人でした。

 

帝王切開により私の赤ちゃんは無事に産まれてきてくれたので、それだけで感謝の気持ちでいっぱいでした。

可愛い赤ちゃんを見て、「帝王切開をして良かったな」と思ったのです。

だから、最初の頃は自分の心が傷ついているなんて思いませんでした。

私がそのことに気付いたのは、何気ない友人の一言でした。

 

出産=陣痛?

久しぶりに会う友人と会話していると、話題は出産のことになりました。

友人に「出産、どうだった?」と聞かれたので、

私は「帝王切開で出産したよ。」と答えました。

すると友人は、どこか納得したような感じで

「なるほどね~。あなたが陣痛で苦しんでる姿が想像できひんかったから。」と言われました。

 

この言葉、私は帝王切開を経験した人が言われたら傷つくのではないかと思いましたが、どうでしょう?

 

私はこの言葉を聞いたとき、自分の心に『帝王切開をした負い目』のようなものがあるのではないかと気付きました。

「あの陣痛の痛みは、あなたには耐えられないよ」

と言われたようで、悲しい気持ちになりました。

 

こどもが無事に生まれて、帝王切開をして良かったと思っていた。

でも、それと陣痛や経膣分娩への憧れは別問題だったようです。

帝王切開に感謝する一方で、陣痛や経腟分娩を経験できなかったことを心残りに思っていたんですね。

まったく、きれいさっぱりとは未練を捨て切れていなかったというわけです。

 

 

帝王切開をした人が敏感になる言葉

この友人は出産の経験はないのですが、お姉さんがいて、お姉さんの出産に立ち会ったことがあるそうです。

友人は陣痛に苦しむお姉さんの姿を見て、とても驚いたそうです。

「普段穏やかな姉が、こんなになっちゃうの?」と。

それほど陣痛とは壮絶な痛みなのだと感じたそうです。

友人は私のことをクールな人だと思っているようなので、

私のイメージから陣痛に苦しむ様子を想像できなかったのでしょう。

 

でも、「陣痛に苦しむ」ことはなくとも、後陣痛や傷の痛みには苦しみました。

しかし、これらはどちらが痛いとか苦しいとか、比べられるものではないかと思います。

どんな出産も命がけですので、成し遂げた後は苦労話にするのも良いでしょう。

特に、壮絶な陣痛を経験したママからはそのような話を聞くことが多いように感じます。

 

でも、帝王切開をした人に『陣痛』はNGワードです。だって、経験したことがないのですから。そして、できれば経験したかったと思っているはずですから。

どんな返事をしても恨み言のようになってしまう気がして、黙ってしまうのではないでしょうか。

 

保育園に通っていた頃、帝王切開で出産されたママ数人と知り合いました。

その方々の多くは、陣痛や経膣分娩に興味や未練、憧れがあるようでした。

「次はVBAC(ブイバック)してみたい」と仰ったママもいましたから。

 

 

【何気ない言葉で人を傷つけているかも】

帝王切開をした私の気持ち

友人の一言を聞いて、私はただ衝撃を受けるだけで頭が真っ白でした。

帝王切開を経験していない人からすると、何気ない一言だったのでしょう。

帝王切開をした人でも、中には、この言葉を気にしない人もいるでしょう。

 

でも、帝王切開をした人の多くは、経腟分娩への憧れをもっていると感じています。

それでも、こどもが無事に産まれてくれただけで嬉しいことだから、生み方に未練を残しているなんて、言ってはいけないような気がしているのではないでしょうか。

私がそうだったように。

しかし、本音を言えば経膣分娩を経験してみたかった。

陣痛も、どんなものかしらと興味があった。

それでも、こどもにリスクを課してしまうこと、母体のことを考えると、TOLAC(トーラック)に踏み切ることはできませんでした。

※TOLAC(トーラック) ・・・経腟分娩に挑戦すること。

 VBAC(ブイバック)・・・TOLACが成功して無事出産すること。

 

ここで誤解してほしくないのですが、私はTOLACを否定しているわけではありません。私は選択しなかったというだけのことです。

だから、VBACしたママが『こどもの安全を考えなかった』とも思いません。

こどもに負担をかけるかもしれない、

子宮が破裂すれば母子ともに危険になる、

既往帝王切開した方が良いかもしれない、

きっととても悩んで、考え抜いた上での決断なのだと思います。

 だから、この記事を読んで「TOLACはダメだ!」と一刀両断しないでくださいね。

自分の心に正直に、冷静に、家族とも相談して、決めてください。

 

 

身近な人の理解が大切

それでも私が救われたのは、自分の身近にいる人たちから、このようなデリカシーのない言葉を言われたことがないことです。

こどもを出産した後は、旦那、母、父、妹、義母、義父…誰もが「おつかれさま」と労ってくれ、

こどもの誕生を喜んでくれました。

 

言葉は悪いですが、連絡を取ろうとしなければ合うこともない友人よりも、

合うことが避けられない人から言われた方が苦しいと思います。

顔を合わせるたびに傷が疼いてしまうのではないでしょうか。

 

だから、もし、あなたの親しい人に帝王切開をした人がいたなら、

どうか、ただ労ってあげてください。

「おつかれさま。」

「がんばったね。」

「ありがとう。」

言葉が気恥ずかしいなら、ただ抱きしめてあげてください。

お腹の傷は時とともに癒えていきますが、心の傷はそうではありません。

 

心の傷は目に見えないけど、「もう癒えただろう」と思わず

言葉にする前に考えるようにしてあげてください。

 

何気ない一言で傷をえぐられる人が、少しでも減りますように。